日常の小さなナゾ

2000年12月23日
大きな疑問とともに、日常の小さなナゾも思い出したら書いていきますね。

時事ネタにはわざとふれないかって? だってクリスマスなんて誰もお祝いしてないんだもん、ここでは。

 そんなことより目前のハリラヤ(断食月が明けた、イスラムにおける新年)のほうが彼らにとってははるかに大事なのです。国を挙げての大セール期間中の今、みんなそれぞれの新年(ハリラヤ、新年、中華正月)のための準備のお買い物で忙しそうです。

ラマダン中の長距離バス
ラマダン月にはいると、学校はすべてお休みになります。しかし仕事をもっている人たちにはそんな長い休暇はとれませんので、ラマダン中もマレー人(すべからくムスリム)は昼間は断食をしつつ(唾さえのみこめない)、仕事もします。よくいわれるのはお腹がすいて注意力散漫なために事故が増えて危険だということですが、うーんどうでしょうか。僕個人の経験では、普段は乱暴な運転をするバス運転手たちも、ラマダン中はのんびり走っている人が多いようにかんじます。しかしこまるのは、途中の食事休憩がなくなること。
 4時間以上のバス行の場合、ふつうはどこかで食事休憩をとります。しかしラマダン中は、彼ら運転手(もっぱらマレー人)をふくめ人口50%を超えるマジョリティはマレー人ですから、(そして国教はイスラムです)、日中はこういったところには止まりません。そもそも開いてもいないのです。かわりにモスクの前で1時間以上休憩します。というわけで、非ムスリムの旅行者は、この時期、常にいくばくかの食料と水分を持ち歩く必要があります。そして、こそこそと隠れるようにして食事します。だって断食中のひとたちに悪いですからね。そのように華人は教育されてきています。断食中はこそこそと食べろと。


なぜ「満タン(full)」が通じないか @ Gas Stand, Malaysia
マレーシアでは…と一般化してしまっていいほどには多くの素材を持ち合わせていませんが、少なくとも半島部の大都市ペナンやKLも含め、ガソリンスタンドで「フルにしてね」といってもそれがどういう意味なのか、通じないことが多いと感じます。
 これは何も言語能力の問題ではなくて(何語で話しても同じ)、どうもガススタで注文するときに「満タンにしろ」という客はいないようなのです。日本では「満タン」が普通なんですけどね。
 で、どうやっているかというと「いくら分」というふうに頼みます。この方法のメリットはお釣りの計算が楽である(暗算での足し算引き算はできないひとが多い)ことです。デメリットといえば、車でもバイクでも満タンちかくにするにはどのくらい分頼めばいいかをこちらが計算しなくてはならない点でしょう。もちろん頼んだ量がじつは多すぎてあふれそうになった場合は、きちんととめてくれて、きりのいいところまでいれてくれますが。なんだかそういうふうになっているようです。


信号
歩行者には信号はあまり意味がありません。第一誰も守っていないし、歩行者信号自体めずらしい存在です。それどころか、高速道路でさえも歩行横断者がいます。一人や二人ではありません。たあくさんいるのです。こちらの高速道路は道幅がひろいのもあって、車の調子さえ普通なら、みな150Km/h以上で走っていますので、彼らの行為はかなりの High Stakeです。横断できる橋がちかくにない場合、赤信号であれ線路であれ高速道路であれ(もちろん横断禁止です)、「自己責任において」ショートカットをとる人たちは多いようです。もちろん事故も大変多いです。交通事故は人口比換算で、日本の約5倍あります。でも自動車保険は日本なんかよりはるかに安いですけどね。保険をかけている人はほとんどいないので、事故にあった場合はだいたい運が悪かったということになります。自分個人の傷害保険があればまぁなんとかなるでしょう。
 ただ、さすがに自動車用の信号はかなり守られているといえます。しかし、この仕組みがとても効率が悪そうに思えるのです。信号はだいたい4つ辻にあるのですが、信号が青になるのはひとつの路線だけ、あとの3つはすべて赤で、ひとつの路線からだけ右折も直進も(左折はだいたい常時可能)できるようになっています。で、ひとつひとつこうやって青にしていくので、一度信号にひっかかると日本の3倍は時間がかかる計算になります。
 物事には必ず裏があるもので、この時間を短縮できる方法をローカルの人たちはときどきみせてくれます。先の信号が赤になるやいなや左に寄って、その交差点がくるととりあえず左折してしまいます(左折は専用レーンがありいつでもできるところが多い)。そしてすぐにUターンしてまた左折レーンにはいってさきほどの交差点を左折すると、一度も止まらずにさっきの交差点をパスできたことになります。文字の説明だけでわかっていただけますか?
 さらにこの技に磨きをかけると、目の前の信号が赤でも、左折して、Uターンして、直進することで、実質赤信号の交差点で右折をすることもできます。もちろんこの場合は、Uターンして入るレーンの信号が青でないと、意味がありませんが。

道路ネタはいろいろあってつきないのですが、今日はこのへんにしときます。機会があれば峠を客満載でドリフト走行する夜行バスの話をしたいとおもいます。

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